兵庫県芦屋市にあります、

きた鍼灸整骨院、院長の北 善之です。

 

先日、来院された患者さんより

「少し前から足の付け根に違和感がある。」

「痛くはないがたまに足が抜けそうな感じがする。」

というご相談を受けました。

病院に行くほどではないけれど…

足の付け根に違和感があったり、なんだか外れそうな感じがする。

といったご経験がある方は少なくないかと思われます。

 

また「違和感」「外れるような」「抜けるような」など

ハッキリしない症状の方も中にはいらっしゃいます。

 

今回の患者さんは「足がなんだか抜けそうな感じがする」ということでしたが、 原因は動作時に筋肉や関節が上手く動かないことでした

同じように、思い当たる節がございましたら、こちらの記事がお力添えになれるかと思います。

股関節はどんな構造をしているのか? 

股関節は、「ボール」と「お皿」に例えると分かりやすいかと思います。

骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう=お皿)と

大腿骨頭(だいたいこつとう=ボール)を

組み合わせが股関節です。

 

股関節は、歩行時には体重の約4倍もの重みを受け、広い関節の動きを要求されるため独特な構造をしています。

また、寛骨臼は大腿骨頭を包み込むような構造をしています。。

人類の進化による弊害 

膝関節に比べると股関節は安定がいい関節です。

かつて四つ這いで歩いていた人類の祖先が、直立二足歩行をするように進化したため骨盤が立つことに。

そして、股関節の前方の覆いが少なくなったといわれています。

ですので、新生児のオムツの当てや先天的な原因で股関節の脱臼を起こすことがあります。

 

また、寛骨臼の凹みは人によって異なります。

凹みが浅い股関節では亜脱臼(脱臼になりかけ)が生じやすく、関節のぐらつきによる股関節の痛みや大腿から膝にかけての痛みを生じることがあります。

このような股関節では関節にかかる重みが分散されず、関節が更にぐらつくという悪循環。

結果、違和感や足が抜けるような症状が起こることが考えられます。

実際に股関節が抜けることが少ない理由 

関節部分の骨の表面は軟骨で覆われています。

軟骨は股関節にかかる力を吸収するとともに関節がとてもスムーズに動くように働いています。

また、臼蓋に対して球状の骨のはまり込みが深く、周囲を筋肉や靭帯などの軟部組織で覆っているため関節自体の動く範囲は広く、安定性はとても高いものになります。

そのため、成人の健康的な股関節は交通事故レベルの強い衝撃でないと脱臼は不可能。

足に違和感や抜け感の理由 

股関節の不具合があると、足を引きずるような歩き方がみられます。

この原因は脚の長さに差があることと同時に、臀部(おしり)の筋力が弱いために生じます 。

片足で立つと、正常な状態ですと反対側の骨盤が上がります。(右足で立つと右側の骨盤が上がる)

しかし臀部の筋力が弱いと、逆に反対側の骨盤が下がる現象がみられます。

この状態で歩くと、体が左右に揺れるような歩き方となります。

 

股関節に痛みがあるとどうしても動かしたくないということで股関節の周りの筋力が弱りやすい傾向にあります。

動かさないとさらに関節可動域が狭くなり、筋力も低下してしまいます 。

このままでは悪循環ですので、可能な範囲内での関節を動かすこと。

ストレッチや同時に筋力強化を心がけることが重要です。

股関節の筋力強化とストレッチ 

トレーニング:スクワッド 

①足を肩幅以上に開き、手を頭の後ろで組み、背筋を伸ばします。

②お尻が出ないように背骨をを伸ばしたまま腰を落とします。

太ももが水平になるところまで曲げ、膝がつま先より前に出ないようにすると膝を痛めにくいです。

スクワッドのコツ

スクワッドは膝を痛めないように、肩幅くらいに足を開いて腰を落としたときに膝が足先より前に出ないように行います。

股関節を曲げる力だけで背骨を伸ばしたまま、とてもゆっくり腰を落としてまた上げていくのがコツです。

 

物足りない方は重りを背負って行えば負荷はかかりますが、重力や自分の重みがあるので自分の身体だけでも十分に負荷がかかり、股関節を鍛えることができます。

とてもゆっくり、

腰を落とすのに3~5秒。

腰を上げるのに3~5秒。

で行うと反動をつけずに行えば膝への負担が減ります。

 

ストレッチ:外旋筋(がいせんきん)ストレッチ 

ストレッチの正しい方法

①ストレッチマットなどを敷いた上にあぐらをかいて座る

②右足の膝を立てる

③膝を立てたまま、右足を左足の太もも側に回す

④体を右側にひねる

⑤お尻近くに筋肉が伸びているのを感じながら20秒キープ

⑥ゆっくりと元に戻し、左足も同様に取り組む

 

股関節の外旋筋ストレッチの目安は、 左右20秒ずつ 。

滅多にストレッチしない筋肉だからこそ丁寧に伸ばしましょう。

ストレッチのコツ 

・呼吸を安定させた状態で取り組む

・膝を立てた足側のお尻を上げない

・筋肉が伸びているのを感じながら行う

・膝をできるだけ胸に引きつける

・頭までひねっていく

 

股関節の外旋筋ストレッチで効果を高めるコツは、 胸をできるだけ胸に引きつける ということ。

膝をただ外に回すのではなく、腕でしっかりとホールドさせた状態を作りましょう。

そしてゆっくりと胸に寄せることで効率良く外旋筋を刺激できます。

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最後に

股関節の周りの違和感や痛み、抜けるような感じなどには様々な原因が考えられます。

違和感や抜けるような感覚が長期間続いている、もしくは症状がどんどんひどくなってきた。

などの場合は他に別の問題があるかもしれません。

その際は、お近くの医療機関へ受診されることをお勧めします。

 

また違和感や抜けるような感じがある場合、当院にて股関節の治療することができます。

まずはお気軽にお問い合わせください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

監修:鍼灸師・柔道整復師 北 善之

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