芦屋市川西町にあります。
きた鍼灸整骨院、院長の北 善之です。
最近、背中の痛みで来院された方がいらっしゃいました。
お話を伺うと、「急に背中が痛くなって、病院で検査しても異常なしって言われた」
また、「背中の痛みなのでなんとなく怖い」とおっしゃっていました 。
確かに、何もしていないのにも関わらず急に背中が痛くなると変な病気じゃないか怖くなりますよね。
今回は急に起こる背中の痛みについて書かせていただきました。
お時間のある際に目を通していただけますと幸いです。
背中の痛みの原因とは
背中の痛みの原因、意外と意識されない部位として「肩甲骨」 があります。
本来、肩甲骨はろっ骨の背中側の上にあります。
島のように浮いた構造をしていて、ろっ骨の上をすべるように動きます。
最近ではスマホやパソコンなどにより、長時間じっとして前かがみ姿勢を続けることが多くなりました。
すると構造上、肩甲骨が外側に広がったまま動かないので、肩甲骨まわりの筋肉が硬くなる傾向に。
硬くなると肩甲骨の動きが悪くなり、どんどんコリ固まっていくという悪循環に陥ります。
また肩甲骨は、大きな可動域を持っていて肩周りの筋肉の多くが付着しています。
肩甲骨のメカニズム
肩甲骨は、肩関節の土台と呼べる部分になります。
肩甲骨には、さ骨、腕の骨が関節を介して付着。
さらに肩甲骨には肩コリの元となる筋肉を含む18種類の筋肉も付着していて、肩甲骨を動かすことで肩コリの改善に大きな効果があります。
加えて、肩や首回りの筋肉はほとんどが肩甲骨に付着しており、肩甲骨を動かすことでそれらの筋肉を刺激することができます。
肩甲骨の動きは、
内転 (背骨に寄せる)
外転 (背骨から離れる)
上方回旋 (上回転)
下方回旋 (下回転)
挙上 (上がる)
下制 (下がる)
など6種類の動きが可能で、可動範囲がとても広いです。
しかし、日常生活の中で上の全ての動きを使う機会はとても少なくので、肩甲骨周囲の筋肉はコリ固まりやすいといえます。
肩甲骨と姿勢の関係性
「骨盤がまっすぐ=姿勢がいい」と思われている方が多いです。
実は骨盤と同じく肩甲骨の位置も姿勢に重大な影響を与えています。
背中が丸くなって猫背の姿勢になると、肩甲骨は重力によって体の外側に移動。
この状態で長時間過ごしていると、肩甲骨周りの筋肉の緊張が高まって、肩や背中のコリや痛みに繋がります。
しかし、肩甲骨を適切な位置に保つことで自然と姿勢も良くなり、姿勢不良が原因の不調を防ぐことができます。
肩甲骨を意識的に動かすストレッチ
生活の中でどうしても動かす機会が少なく、血行不良になりやすい部位である肩甲骨周り。
そんな肩甲骨周りの筋肉を意識的に動かすストレッチを3つご紹介させていただきます。
・肩甲骨引き寄せ・
座った状態で両肘を曲げ、肘を背中の後ろに引きます。
前からみると胸を張る状態になり、背中は肩甲骨同士がくっつくように近づいています。
普段は外側に移動していることが多いので、このように内側に移動させることで緊張している筋肉を緩和させ、コリを改善します。
・肩すくめ ・
両肩をすくめるように肩甲骨を上に持ち上げ、肩を持ち上げたまま5秒程度保持し、降ろします。
その動作を繰り返します。
肩をすくめる動作は肩こりの原因となりやすい僧帽筋(そうぼうきん)の刺激を促すため、肩コリに効果的。
・肩回し ・
両肘を曲げ、肘を肩の真横から大きな円を描くように動かすことで、肩甲骨が全方向に動きます。
肘でゆっくり、できるだけ大きな円を描くのがポイントです。
セルフストレッチのポイントはリラックスした状態で行うことです。
肩の力をフッと抜くようにしてください。
また朝・夜の2回行うとより効果的かと思われます。
※ストレッチ法を詳しく動画にまとめておりますのでご覧ください
最後に
背中が痛くなる原因は今回ご紹介した肩甲骨とは限りません。
痛みを生じる他の原因も考えられます。
痛みが強い場合や痛みが長引く場合などはお近くの医療機関への受診をおススメします。
背中に違和感があったり、背中に痛みを感じる際には今回お伝えしたストレッチを行うようにしてみてはいかがでしょうか。
他にも何か気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
監修:鍼灸師・柔道整復師 北 善之