芦屋市の整体院、きた鍼灸整骨院の北 善之です。
子育て世代の方から、
「出産を終えて休む間もなく何時間も抱っこすることがある」
「一日に何回も授乳し夜中にも授乳やおむつ替えをしている」
「家事や育児に追われ、気付けば身体のいろんなところが痛い」
とのご相談を受けます。
確かに子育ては休む暇なく毎日毎日すごく大変ですよね。
そのような繰り返しの動作によって指や手首、肘などが痛くなることがございます。
「腱鞘炎(けんしょうえん)」と呼ばれ重症度によって症状が異なります。
違和感があるけど病院や整体に行く時間もない。
小さなお子さんがいて家事や育児に追われる毎日。
指や手首が痛いけど自分のことは後回し。
ご自身をケアしてあげる時間を確保するのは困難かと思われます。
そこで、お忙しい子育て世代の腱鞘炎の症状に合わせたセルフケアなどをご紹介させていただきます。
手首を動かすたびに痛いのは腱鞘炎?
腱鞘炎は筋肉の一部である腱(けん)が炎症を起こすことが原因。
腱は筋肉と骨が引っ付く部分にあって、その動きを滑らかにするために腱は腱鞘(けんしょう)と呼ばれる筒のようなものに包まれています。
何度も繰り返す動作などによって腱鞘の中で腱が擦れて熱が生じます。
その熱によって痛みや違和感などの症状を感じることになります。
また男性に比べて女性の方が腱鞘炎になりやすいことが報告されています。
理由としては出産を迎えるにあたって女性ホルモンが関係します。
この女性ホルモンには妊娠や出産を助け、出産で開いた子宮や骨盤を縮める役割があります。
しかもその作用によって腱鞘まで縮んでしまって熱を起こしやすくなるといわれています。
またホルモンは子宮や骨盤以外に全身の関節に影響します。
するとお子さんを抱っこする時に関節がうまく支えられず、筋肉や腱などに負荷がかかってしまうのも原因の一つと考えられます。
加えて腱鞘炎はホルモンバランスによって生じやすくなるため閉経のタイミングに起こることがあります。
市販されている湿布やサポーターを使うべき?
長時間お子さんを抱っこするのは大変ではありませんか?
でも抱っこしないと泣き止まないこともありますよね。
抱っこの仕方はいくつかありますが、そんな時に腱鞘炎を防ぐポイントは1つです。
それは「手首を返さない」こと。
人間は大切なものを抱える時、無意識に手の平を使う傾向にあります。
でも、この動きを何度も繰り返していると腱鞘炎になりやすくなってしまうんですね。
そこで手首を返さないように抱っこするために肘の位置がポイントになります。
肘を身体に引っ付けるようにして抱っこしてあげると手首の周りにある筋肉への負担が軽減されます。
腱鞘炎になりにくい手の使い方にすると一気に抱っこが楽になります。
それでも痛みや違和感が起こる場合は手首を固定するようなサポーターが有用です。
ドラッグストアなどで販売されているサポーターを装着することをお勧めします。
また就寝時のみにだけ痛みのあるところに湿布を貼ることも効果的です。
重症度からみる症状とその処置
腱鞘炎は段階によって症状が異なります。
手首などに腫れがある、一瞬だけの痛みが初期症状。
この場合は軽度と判断し腫れている部分を湿布などで冷やしてあげることが大切です。
冷やして熱っぽさがなくなってきたら、お風呂などで温めながらマッサージしてみてください。
またテーピングやサポーターで固定してあげることで痛みを改善させることもできます。
次にずっと痛みがある、痛みで生活に支障があるのが中度となります。
軽度の時は腱鞘炎と気が付かずいつの間にか治っていることが多いです。
しかし中度になると痛みが常にあって生活にまで影響がでます。
この場合は痛みの動作を避けるなど、ご自身でできることが限られます。
ですので病院への受診を考えた方がいいかもしれません。
またはお近くの治療院での施術を受けることをお勧めします。
最後に手が思い通りに動かない、刺されたような鋭い痛みがあるのは重度。
この段階になると手術が必要となる場合もあります。
私どものような治療院にて治療法はありますが、ここまで重度になると改善までかなりの時間を要します。
ですのでご自身の症状や重症度に合わせた処置がとても重要となります。
腱鞘炎の治療とセルフケア
痛みや違和感を感じ始めた時は、マッサージと併用してツボ押しも効果的です。
こちらでは腱鞘炎に効く2つのツボをご紹介します。
・陽谿(ようけい)
手首の関節、親指の付け根のくぼみ。
反対の手で手首をつかんで親指で揉むように刺激すると効果的です。
・陽谷(ようこく)
手首の関節、小指寄りのくぼみ。
反対の手で手首をつかんで中指などで押します。
※ツボ押しは心地よい刺激で10秒×3回が目安です
なかなか痛みや違和感が改善しない場合は、まずは病院に受診をお勧めします。
その後、整骨院や整体院または鍼灸院を探して施術を受けるのが最良です。
最後に
今回は腱鞘炎についてお伝えさせていただきました。
初期段階ではご自身が腱鞘炎とはなかなか気付かないものです。
できるだけ早めに処置することがその後に大きく影響するといっても過言ではありません。
子育てなどでお忙しいと思いますが時間の合間を使ってご自身をケアをしてあげてはいかがでしょうか。
当院におきましても腱鞘炎やばね指の治療にて改善して患者さんをたくさん見てきました。
私自身も2人の小さな子供を持つ親として子育てされている方を応援しています。
もし手の痛みでお困りでしたら当院までご相談いただけますと幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【監修:鍼灸師・柔道整復師 北 善之】